mezzanine

開発業者勤務(東京・仙台) → 四国松山へUターン。建築・都市・街・不動産・観光などに関するメモ。

映画

『アララトの聖母』を観てエチオピアの建築を思い出す

『アララトの聖母』(監督:アトム・エゴヤン)を観た。アララトとはノアの箱船が到達したとされるアルメニア高原の最高峰、アララト山のことである。この映画はアルメニアの画家アーシル・ゴーキーの絵画を題材に、母と子、そして「アルメニア人大虐殺を描…

時をかける少女

近況をつれづれと。 * 『時をかける少女』をみてきた。 原作は筒井康隆さんの小説。大林宣彦監督の映画やテレビなど何度もいろんなところでリメイクされている。 内容は、高校生が「タイムリープ」する能力を身につけてしまい、ちょっと前の過去をやり直し…

「誰も知らない」を思い出しながら(ネタバレあり)

是枝裕和監督の『誰も知らない』について、思い出したことなどをつらつらと。 * 「誰も知らない」というタイトルにぎくりとする。もうひと昔以上前に起こった、巣鴨での「子供置き去り事件」を是枝監督がなぜ今になって取り上げたのか。それだけである問題…

映画『DISTANCE』に出てくる建物について

是枝裕和の撮る映画の絵がキレイだ。映画『DISTANCE』も例外ではなく、湖の風景や、ラストシーンの映像は美しく、息を呑んでしまう。 この映画はカルト教団による殺人事件のを登場人物として描いたもので、その加害者遺族と、一線を超え出家した家族…

イノセンス

初めて六本木のヴァージンシネマズに行き「イノセンス」(監督:押井守)をみる。あぁ、原作の*話が基なのね。。一見すると難しそうなんだけど実は単純な(それだけに奥が深いんだけど)テーマ。でも話、分かりにくいところ多し。気になる描写、セリフ多し…

最近見たもの

ダイヤルMを廻せ!(監督:アルフレッド・ヒッチコック) 火山高(監督:キム・テギュン) ゲームみたいな世界観の中でこれまたゲームに出てきそうな高校生たちや教師たちが「気」とかなんやらで戦う話。ふと思ったのだが、この「気」というのは東洋的なのだ…

またヒッチ

「サイコ」(監督:アルフレッド・ヒッチコック)みる。 あのシャワーのシーンは幼い頃見たときに軽いトラウマとなった。今でもふと一人でシャワーを浴びてる最中に思い出し、一瞬ぞくっとすることがある。と告白してみる。私だけじゃない気がするのだが。

ふたつみる

「WATARIDORI」(監督:ジャック・ペラン)みる。 DVD欲しい。様々な鳥たちの映像がひたすら流れる。作為的なストーリーも無く淡々と。そこがいい。カメラの視点がたまらん。鳥になりたい、とふと何度も思ってしまった。ところでジャック・ペランは以前観た…

フルメタル・ジャケット(ネタバレあり?)

「フルメタル・ジャケット」(監督:スタンリー・キューブリック)みる。 数あるベトナム戦争映画の中でも多分特殊な部類に入るのでは。兵として訓練され製造される若者を描く前半、製造された兵と戦場を描く後半。 前半。教官に「ほほえみデブ」と言われる…

で、みたもの

ラストサムライ ファインディング・ニモ 王立宇宙軍 オネアミスの翼 ラストサムライについて…司馬遼太郎を読もうがハリウッドの描く日本を観ようが同じことであり、私たちが持ちうる歴史観てのは貧しいもので、でもだからこそ、こういうものを通して構築され…

寺山修司

25日のことだが、ユーロスペース(渋谷)で寺山修司監督の「蝶服記」「迷宮譚」「草迷宮」をみる。寺山修司の映画は天才、前衛、実験、シュール、こんな感じの単語がよく合う。例えば迷宮譚について「寺山修司映像詩」(2003)で寺山はこう記す。 「迷宮譚」…

東京ゴッドファーザーズ

東京ゴッドファーザーズ(監督:今敏)をみる@シネセゾン渋谷。ホームレス3人組がゴミ捨て場で赤ん坊を拾い、親を探し奔走する話。 今監督の手がけた映画「パーフェクトブルー」「千年女優」は共に、さざえ堂*1のごとく物語が絡み合って構成されていた。「…

夜と霧

「夜と霧」(監督:アラン・レネ)をみる。現在と過去のアウシュビッツ収容所の映像を交互に見せる、30分ほどのドキュメンタリー。 生首や、何十人もの死体をブルドーザーで運ぶ映像に目を背けそうになるが、そこに人間をただモノとして扱うという機能主義的…

cube2(cubeネタバレ有り)

cube2をみる。見るまで知らなかったのだけど監督が1とは違う。中身も単なる前作の焼き直しで面白くない。 ヴィンチェンゾ・ナタリ監督の前作cubeにあった面白さは、なぜcubeがつくられたのか、といった部分をあえて見せなかったところに示されているように考…

ラブ&ポップ

この前観た『式日』が印象に残ったので、数年前に見た『ラブ&ポップ』(監督:庵野秀明)をもう一度みる。 カメラワークが気になる。視点が主人公、友人、足元から、レンジの中から、おもちゃの電車から…とめまぐるしく変化するのだが、スーパーフラットと…

田園に死す

『田園に死す』(監督:寺山修司)をみる。 うっはーヤバイ!ショック。顔を白塗りのガクランの少年、突如川を流れてくるひな壇、枕元に置いてある般若の面…奇想・奇天烈のオンパレード。幼いときに観れば確実にトラウマになったに違いない。はじめはただの…

式日

夜は『式日』(監督:庵野秀明)をみる。ジブリということだが、宮崎駿では描けないテーマだろう。ロケ地が山口の宇部だそうだ。シャッターの下りたアーケード街、煙を上げる煙突などはなんだか寂しい印象を受けるが、一度訪れてみたいと思わせられる。そう…

ボウリング・フォー・コロンバイン(監督:マイケル・ムーア)【ネタバレあり】

自称トレンチコート・マフィアの少年たちによる銃乱射事件などで揺れる、アメリカの銃社会を扱ったドキュメンタリー映画。 「ドキュメンタリー映画」として観るもんじゃないなぁ。映画の中で「米のニュースは殺人、暴力…といった犯罪を大きく取り上げること…