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開発業者勤務(東京・仙台) → 四国松山へUターン。建築・都市・街・不動産・観光などに関するメモ。

本のメモ: デービッド・アトキンソン『新・観光立国論』

2015年に出版された『新・観光立国論』(デービッド・アトキンソン著)は、外国人旅行者が増加し、消費の拡大による「爆買い」という言葉が定着した一年を表すような一冊だと思った。 著者の主張と論旨は明確である。人口が減少する日本においてはGDPを維持…

『1995年以後』世代の建築家は世界をいかに切り開くか?

1995年以後~次世代建築家の語る建築作者: 藤村龍至,TEAM ROUNDABOUT出版社/メーカー: エクスナレッジ発売日: 2009/02/20メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 52回この商品を含むブログ (31件) を見る 建築家の世代論 ―30代という意味 『1995年以後 次世代建…

建築と「アーキテクチャ」−濱野智史『アーキテクチャの生態系』

(写真 BUILDING K 日記 より)"LIVE ROUND ABOUT JOURNAL 2009"で建築界に投げかけられた「アーキテクチャ」という概念 1月31日(土)に、"LIVE ROUND ABOUT JOURNAL 2009"というイベントに行ってきた。 「ライブ編集」というコンセプトのもと、会場にて建…

プレミアム戦略

遠藤功 『プレミアム戦略』(東洋経済新報社、2007年)を読む。プレミアム戦略作者: 遠藤功出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2007/12/07メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 38回この商品を含むブログ (22件) を見る 第1章 プレミアムという現象 第2…

東京大学cSUR-SSD研究会 編著『世界のSSD100 都市持続再生のツボ』

『世界のSSD100 都市持続再生のツボ』(彰国社、2007年)をざっと流し読み。昨年9・10月に行われた「cSUR EXHIBITION/東京大学 cSUR展」の書籍版。世界のSSD100―都市持続再生のツボ作者: 東京大学cSUR-SSD研究会出版社/メーカー: 彰国社発売日: 2007/12/19…

東浩紀・北田暁大『東京から考える』

東浩紀・北田暁大『東京から考える』(日本放送出版協会)を読む。 とりあえず気になったところのメモ。 「郊外」のヴァリエーション 「国道16号的」な郊外…ファミレス、大型SC、ロードサイドショップなど 「青葉台−シーサイド的」な郊外…フィクショナルに空…

井上章一『夢と魅惑の全体主義』

夢と魅惑の全体主義 (文春新書)作者: 井上章一出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/09メディア: 新書購入: 3人 クリック: 32回この商品を含むブログ (41件) を見る井上章一『夢と魅惑の全体主義』(文春新書)読了。 全体主義とは、イタリアのファシズム…

辻 惟雄『奇想の図譜』

辻 惟雄『奇想の図譜』(ちくま学芸文庫)を読む。奇想の図譜 (ちくま学芸文庫)作者: 辻惟雄出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/04メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (41件) を見る「奇想の系譜」に続く、日本美術の独創性に…

ジャイアント・ストロング・エントリー

中沢新一『アースダイバー』 読了。 地質学の研究によって、いま東京のある場所が、縄文海進期と呼ばれる時代に、どんな地形をしていたのか、詳しいことまでわかっている。洪積層というのは堅い土でできている地層で、これが地表に露出しているところは、縄…

五十嵐太郎『美しい都市・醜い都市』ほか

最近の斜め読みの本の斜めメモ。 五十嵐太郎『美しい都市・醜い都市』(中公新書ラクレ) 建築界に議論を呼んだ東京・日本橋の移設に関する話題について書かれた「景観を笑う」をはじめ、各誌で記された著者の都市景観や「美」に関する文章をまとめた本。五…

『現代建築に関する16章:空間、時間、そして世界』五十嵐太郎

『現代建築に関する16章:空間、時間、そして世界』(五十嵐太郎、講談社現代新書、2006)を買ってさらっと読む。 現代建築に関する主要な概念を取り上げ、語りおろし形式で書かれた新書。「形態と機能」から始まる第一章にもしっかりと「原っぱと遊園地」に…

村上隆『芸術起業論』

村上隆『芸術起業論』をさっくりと読む。さっくりと読める/読むような本。以下ところどころ引用。 芸術は社会と接触することで成立します。(p.32)新しいものや新しい概念を作り出すには、お金と時間の元手がすごくかかります。(p.32)知的な「しかけ」や「ゲ…

吉村靖孝『超合法建築図鑑』(彰国社)

吉村靖孝さんの『超合法建築図鑑』が面白い。 街を歩いていると、建築基準法などの諸法律をを遵守して建てられるがゆえに、逆にヘンな建築ができてしまっているのを目にすることがある。斜線制限に切り取られたビルはその典型だが、そのようなヘンな建築に着…

"BLUE LIST. 06-07"(Lonely Planet Publications)

景観と観光という流れで本書を紹介してみる。 *Lonely Planet's 2006-2007 Blue List: 618 Things to do & Places to Go (Lonely Planet's Blue List)作者: Lonely Planet Publications出版社/メーカー: Lonely Planet発売日: 2006/01/01メディア: ペーパー…

立岩二郎「てりむくり」(中公新書)

本棚を眺めていると、内容が思い出せない本がたくさんあって悲しくなったので、読んだ本のことはなるべくメモを残していこうと思った。 *てりむくり―日本建築の曲線 (中公新書)作者: 立岩二郎出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2000/01メディア: 新書 …

過防備都市

五十嵐太郎『過防備都市』を読む。ついに、こういう本が世に出てしまった(良い悪いという意味でなく、現代を象徴する出来事、という意味で)。本書ではセキュリティを過剰に求める社会の現状が淡々と論じられる。シェルターからスキャナーへ、という指摘は…

隈研吾『負ける建築』

建築は、大きい。存在感があり威圧感がある。今日、目の敵にされる巨大な建築も、かつてはその「大きさ」こそが美点であり「大きさ」が求められてきた。私有、象徴…それらの欲望が「強い」建築を生み出したのだという。高さを競う超高層ビルはその好例だ。今…

私の個人主義

ずいぶん前に読んだものを読み直してみると、その大半を忘れていることに気づく。やべー ということで「私の個人主義」(夏目漱石)をこっちに。

新宗教と巨大建築 五十嵐太郎(メモ)

天理市に行ってみたくなった。 マピオン http://www.mapion.co.jp/c/f?grp=all&uc=1&scl=25000&el=135%2F50%2F45.858&pnf=1&size=500%2C500&nl=34%2F35%2F52.958 中央の神殿・教祖殿を中心とし、周囲を四角い平面形で囲む(天理大、病院など)明確な都市像が…

ザ・ゴール

読書について久々に書く。「ザ・ゴール」(エリヤフ・ゴールドラット)が面白かった。制約条件の理論(TOC)について書かれた小説。感想はこっちに書いた。「解説」にはこうある。「TOCの原理は、システムレベルの改善手法であるので、システムの範囲を広げて…

新ゴーマニズム宣言13/小林よしのり 買って読む。付録のイラク戦争年表をみると、自分が無知なことに気付く。なんだかんだでイラク戦争に対する自分の態度をはっきりとさせられなかったので、春休みの宿題としよう。

地球環境保全と木材利用

大熊幹章『地球環境保全と木材利用』を読む。建築材料として木材は良いよ!って感じの本。中でも、炭素ストックの話が主。「木材は炭素をストックする」。木の中には炭素を蓄えることができ、かつ、コンクリートやアルミニウムに比べて製造エネルギーが少な…