mezzanine

開発業者勤務(東京・仙台) → 四国松山へUターン。建築・都市・街・不動産・観光などに関するメモ。

六本木ヒルズのイベントいろいろ

六本木ヒルズへ。「イノセンス・都市の情景展」を見ようと思ったためだが、ついでに「クサマトリックス草間彌生展」へ。草間彌生のドットやオブジェにはさほど興味が無かったのだが、これが意外に良かった。こんな感じで空間と密接に関わりあう作品がいくつかあり、『蛍の群舞の中に消滅するあなた。』では鳥肌がたってしまった。逝くかと思った。暗闇の空間の中でLEDのライトがが光ったり消えたりするのだが、全面が鏡張りであるため、真っ暗な中に小さな無数の光が広がっているように見えるのである。
ところで、この展覧会がある52階は展望室と森美術館とがひとつながりの空間となっているため、展望を目当てに来る、美術に関心が無いような人たちも自然に美術館へ足を運ぶような空間構成になっている。みんなにアートを、みたいなコンセプトを地でやってる感じがして、こういう先見性の有無が六本木とその他の都心再開発の大きな違いだと思った。村上隆を前面に出した広告展開とかも。
その後、同50階の「イノセンス・都市の情景展」へ。映画「イノセンス」の都市や建築に焦点を当てた展示。イノセンス自体は2度観たが、今回もアジア的かつゴシック的な(それは「中華ゴシック」と呼ばれているが)建築・都市像にしびれる。
建築サイドからこのような都市・建築の未来像が提示されることは無い。

六本木ヒルズを出るとき、オフィス棟の回転扉のところに花やおかしが添えられていたるのを目にした。一瞬にして現実に引き戻される思いがした。逆に言えば、六本木ヒルズには現実感が無い(=現実感を失う)ということかもしれない。