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開発業者勤務(東京・仙台) → 四国松山へUターン。建築・都市・街・不動産・観光などに関するメモ。

旧園邸松向庵

旧園邸松向庵を訪れたがこれがすごく良かった。大正七年築の近代和風住宅。日本建築史のことをあまり知らないので偉そうなことをいえたものでもないが、プランを見るたびに思うのは「これってスタッドシアターじゃん」ということである。5〜10畳の部屋がグリッドを崩したような感じで連なって配置され、そのひとつに中庭が挿入されている。廊下は無い。襖を開ければ連続し、閉じればひとつの部屋になる。

手塚夫妻の設計するような"oneness"の(一体的な)住宅だといいたいのではない。隣り合う中庭や部屋、周囲の庭やしつらえのありかたの違いだけでそれぞれ「座敷」「仏間」「茶室」「次の間」と部屋の性格が定められているところに興味を持った。
街をぶらぶらと歩き回っているとふと見つけて「これいいなー」とじろじろ見ていたら(そのときは個人のお宅だと思ったのだが)休館にもかかわらずどうぞどうぞ、と中に入れてくれいろいろと説明してくださった。地方都市を訪れるとこういう暖かさが身にしみることがよくあって、ふと郷里を思い出す。