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開発業者勤務(東京・仙台) → 四国松山へUターン。建築・都市・街・不動産・観光などに関するメモ。

インドの都市 ジャイサルメール

修理に出していたパソコンが戻ってきました。

ジャイサルメールパキスタンから約100km、タール砂漠の真ん中にある街で、12世紀にできた都市国家らしい(ガイドのうけ売り)。街の中心に城砦がそびえ、城壁内には交易の中継地として繁栄した頃そのままの都市構造や建築が残る。
街には細い路地が入り組み、建築には現地で取れる材料(石、土)を使用しているため建築や街並みはもちろん、街自体が黄色く美しい。ごちゃごちゃぐねぐねした街並みは、砂漠のベネチア、なんてことを思わせるのに十分だ。

東西交易の中で栄えたこの都市も、スエズ運河の開通により陸路による交易の重要性が低下したことやパキスタン国境の閉鎖などにより、発展は滞り、近代化の波に取り残されたという。だからこそ当時の面影というか街がそのまま残ったわけだけど、したがって(と帰結すべきかどうか分からないが)、街は観光地化している。
思い出してみると、ジョードプルからこのジャイサルメールに向かう夜行列車に乗る前には、インド人がとても親切にしてくれたと思ったらジャイサルメールでの宿を斡旋してきたりと、ジョードプルにいる間にもジャイサルメールの宿や観光ツアーの斡旋が一日に三度はあった。街はどこに行っても観光者向けの店舗だらけで、宿ではいつもラクダやジープによる砂漠ツアープログラムに行かないかと強く勧誘される。
これではたちの悪いディズニーランドだと思ったのも正直なところで、街の魅力が恐ろしくそがれてしまうように思った。こうした観光地が構造的に抱えている問題だといえるだろう。確かに街自体は面白いし見るべきものが多く、素晴らしいのだから、なんとかならないものか。