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開発業者勤務(東京・仙台) → 四国松山へUターン。建築・都市・街・不動産・観光などに関するメモ。

インドの都市 ボンベイ(ムンバイ)

西インド最大の都市・ムンバイは1661年にポルトガルよりイギリス王に贈与された後、東インド会社がおかれ、18世紀から植民都市として機能した都市である。とりわけムンバイの顔といえるフォート地区には植民地特有の西洋風の建築が建ち並ぶ。そういえば「大都会のムンバイはインドにいる感じが全然しないそうだ」と、友人から聞いたことを以前ここに書いたが、それには上記のような背景があるわけだ。イギリス式の二階建てバスもたくさん走っていて、植民による影響は街並みだけにとどまらない。
2004年の文化遺産世界遺産)でもあるチャトラパティ・シヴァージ駅(ChatrapatiShivaji Terminus、旧ヴィクトリア・ターミナス)はその歴史を示す建築のひとつで、ヴィクトリアン・ゴシック様式。1887年に完成している。

建築の保存継承を主張する動きは世界的に見られるが、ムンバイでは保存建物の指定により建築を保存活用しているようだ。とりわけ植民地では、西欧の様式が現地の様式と混ざり折衷的な様式が生まれることが多々あり、そのことは、建築がその国(地)の文化の変化を建築が視覚的に物語っていることだとも思える。ところで建築の保存活用などと軽くいったが、植民地では宗主国との関係により(植民地)建築の評価が大きく分かれるのだろう。
韓国と台湾の総督府を思い出した。