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開発業者勤務(東京・仙台) → 四国松山へUターン。建築・都市・街・不動産・観光などに関するメモ。

香港1 重慶大廈(チョンキンマンション)


重慶大廈(チョンキンマンション)は九龍島の繁華街、尖沙咀(Tsim Sha Tsui)に位置するビルである。日本の旅行ガイドなどでは「安宿の集合ビル」と紹介されている。
中に足を踏み入れると、両替商、安物のカバンや時計、携帯電話、簡素な飲食店などが軒を連ね、ひしめきあっている。5つあるエレベータホールの脇には各階のゲストハウス(安宿)の名前がずらりと書かれてあり、数えてみると20件ほどある。三階から上はエレベータ(コア)毎に構成上独立した形式を持つため、単純に五倍すると100件ほどのゲストハウスが入っていることになる*1
私が滞在したD座(Dホール)のSingh Guesthouseは、その名が示すようにインド人の経営。ここのシングルルームの値段はHK$120(=約1800円)。ドミトリーのあるゲストハウスはHK$60くらいから泊まれるようだったが、これは香港の相場を考えると安い。
この値段を必要とするのは、私のような旅行者もそうだが、他国の商人であるように思う。先ほどのゲストハウスで宿泊者名簿をちらりと見てみるとそのほとんどがインド人だった。また建物の中を観察すると、インド人、中央〜西アフリカ系、アラブ系、タイ人が多くみられた。アフリカ系が多いのは、モノの流れを考えてみると中国→香港→アフリカ各国、というルートがありそうで、そういえばエチオピアでも多くの中国製品が出回っているし、以前利用したことのある香港経由のアフリカ(香港−アジスアベバラゴス)へのフライトではいろいろなモノの詰め込まれた大きな荷物を持ったアフリカ人が多かったことを思い出す。
さて、滞在した部屋に目を向けると、これは今まで泊まった中で最も狭いシングルルームであった。ざっと実測してみるとこんな感じ(内法寸法)。

シャワー、トイレ、ベッドにテレビ、ファン、テーブルまでついている。窓を開けても、昼か夜か、天気さえもわからない。早朝に部屋を出てみると、目の前の廊下にゲストハウスのスタッフが寝ている。

建築は「都市」である、といわれることがあるが、混沌とした建物内のありようは、そんな都市の表情をひとつの建築に盛り込んだような魅力があった。このような建築が日本でつくられる(このような使われ方をする)ことは望まれてはいないのだろうが、これを「計画」しつくることは果たして可能なのだろうか。

重慶大廈については以下のサイトに詳しい。

*1:重慶大廈への招待」で数えてみると88件あった。http://www.chungking-mansions.com/