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開発業者勤務(東京・仙台) → 四国松山へUターン。建築・都市・街・不動産・観光などに関するメモ。

福建省、客家の土楼建築について


客家(はっか)の土楼、「還興楼」。中国・福建省にて。
アモイからバスに揺られること約四時間。山道を走っていると、まるで巨大なキノコが生えたかのように「土楼」がぽつぽつと現れてくる。
これらの集合住宅は客家により建てられたもので*1福建省を中心とする華南に点在している。客家とは華北から華南の山あいに移住した中国の一部族で、これらの土楼は盗賊や猛獣から身を守るために「要塞」のように建設されたらしい。
なるほど多くが三・四階建ての土楼は門がひとつかふたつだけであり、一・二階の外部には窓が無い。まさに要塞としてのデザイン。

一階の部屋の多くは厨房として利用されている。部屋に沿ってぐるりと歩くと料理をする女性がいたり、アヒルやニワトリなどが足元をウロついていたりとなにやら楽しげである。中庭の構成としては、中央には祖堂が設けられ、その周囲に物置や家畜小屋が何重にも取り巻いている。
二階以上は寝室・個室などとして利用されている。いわゆる片廊下型で、廊下に置かれた壷で用をたす。
外壁は土−版築でできた厚い壁。そこに穴があけられ内側に向けて木の梁を通し、柱で支えている。

4月1日のエントリも参考にどうぞ。 http://d.hatena.ne.jp/ida-10/20060401

*1:実際のところは客家以外の民族も建てていたらしい。