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開発業者勤務(東京・仙台) → 四国松山へUターン。建築・都市・街・不動産・観光などに関するメモ。

建築家の言葉01

お仲間ですから安心して申し上げますが、やっぱり建築というのはデザインだと思います。今は科学主義という名の下に、ロジックが通っていないとダメのような言い方をしますが、建築というのはそれだけじゃないんです。極端に言えば彫刻みたいなものでね。「構造的にこうすることが理想である」とは、言えるかもしれない。しかし、最終的にそれを使って形にまとめるのはやっぱり感性ですね。それがなかったらいいものはできない。箱をつくればいいというものではありません。

広瀬鎌二/内井昭蔵との対談での発言*1

能作君は卒業設計に取り組むにあたり、社会問題や周囲の環境や与件といった、建築の諸条件から建築を組み立てるのではなく、できるだけ純粋に建築を作ってみたかったという。いかにも「若い」言葉ではあるが、あなどってはいけない。そこに批評を読み取れるかどうかを、現実に設計活動をしている立場の人間は試されている。設計というのはやってみると分かるが、依頼主からの要望や、諸雑事への対応を積み上げているだけでも、十分充実した気分になれる。だから世の中には誇りを持って作られてはいるけれども、どこにも新鮮さがない駄作というのが結構たくさんある。

塚本由晴/能作文徳の卒業設計の推薦の言葉*2

*1:INAX REPORT」No.149,p.22,INAX,2001年

*2:「近代建築」2005年6月号別冊 全国大学建築系学科卒業設計優秀作品集 卒業制作2005,p.79,近代建築社,2005年