吉村靖孝さんの『超合法建築図鑑』が面白い。
街を歩いていると、建築基準法などの諸法律をを遵守して建てられるがゆえに、逆にヘンな建築ができてしまっているのを目にすることがある。斜線制限に切り取られたビルはその典型だが、そのようなヘンな建築に着目し、ケースごとに法規を交え図解しているのが本書。そのコレクションは77を数え、扱う建築も渋谷の西武から秋葉原のサトームセン、表参道のディオールまで様々。
個人的に気になっていた様々な建築、例えば渋谷のビックカメラが二棟に分かれてるのとか法的にはどうなの?とかいう疑問もしっかり解説されていた(書中の「柳看板」も以前気になって撮っていた)。今後の街歩きが楽しくなりそうな一冊。法律も勉強しよう。
ちょっとメモ。
一見ニュートラルを気取る「法規制」が、けっしてニュートラルとは言えない建築や場所を生み、また地域の個性を形成している事実は、ある意味ではとても痛快なことです。少し大げさかもしれませんが、もはや「法」は「人工的な自然」と言ってもいいような、建築にとっての重要な「環境」になっているのではないでしょうか。(p.7)
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また興味を惹くのが本の表紙(オビ)の写真。ミニチュアのように撮られた空撮写真は、やはり本城直季によるもの。
調べてみると自分でもできそうな気がしてきた。よし今度都庁にでも行こう。
- Ping Mag 10枚の「小さな東京」 http://www.pingmag.jp/J/2006/03/07/10-tiny-tokyo-photos/
カメラ系の話はこっちに。
こういう撮り方をする人は海外にもいるらしい。
- Miklos Gaál http://taik.homeip.net/artists/popups/portfolio.lasso?-Search=Action&-Table=Anzeige&-MaxRecords=1&-SkipRecords=0&-Database=TaiK_Bilder_&-KeyField=ID&-Op=bw&ID=K00006#
- Olivo Barbieri(metropolismag) http://www.metropolismag.com/cda/story.php?artid=1760
- 作者: 吉村靖孝
- 出版社/メーカー: 彰国社
- 発売日: 2006/05
- メディア: 単行本
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