mezzanine

開発業者勤務(東京・仙台) → 四国松山へUターン。建築・都市・街・不動産・観光などに関するメモ。

流動化するインテリア ていうか棚のメモ

引っ越して二週間ほど経つ。引越といっても、同じ建物の、中庭をはさんだ向かい側に移っただけなのだけれど。
上京するときと合わせて、7年間で5回目の引越である。どこか一つのところに落ち着きたいという気持ちはあるのに、なぜか、こう重ねてしまう。仕事の都合上、半年後くらいにまた引っ越す可能性もあるのだが、東京圏で住むということがこれだけ流動性のあることだということを身をもって体験してきた感じだ。

そういうわけで一年前に作った棚も、身の周りのものを全て収納できる、安くて簡素な素材を使う、という条件に加え、引っ越しを前提として組み立て/解体が楽なようにしたつもりだ。
具体的には、23mmのMDFボードをL字型に組んだものの上に、同じボードを乗せただけ。ボードが厚くなるとそれだけ高くつくが、これより薄くなると本の荷重に耐えられずたわんでくるため、スパンを短くしなければならなくなる。もっといい材料だと薄く作れるのだが、引っ越すことを前提とすると、これくらいでいいや、という気分になる。
また、一人暮らしをすると、金槌も音が出るので気が引けるし庭も無いので、日曜大工が楽にできるものではない。ボードの組み立てにも、ネジや金物で接合するのは音が出なくていいし、解体/組み立ても楽にできる。
結果的には、なんとなく建築系学科の研究室の収納みたいになった。これにデザイナーズのチェアやちょっとした家具があるのがアトリエ系研究室のデフォルトな気もする。

日本の都市―とりわけ東京圏でワンルームの賃貸マンション/アパートに住むということは、インテリアの領域においても流動性を前提とした考えさせ方があるのかもしれない、ということのメモ。無印に限らず、近年の家具は組み立てが容易なことを前提にしているものがほとんどであるわけだが。