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開発業者勤務(東京・仙台) → 四国松山へUターン。建築・都市・街・不動産・観光などに関するメモ。

東浩紀・北田暁大『東京から考える』

東浩紀北田暁大『東京から考える』(日本放送出版協会)を読む。
とりあえず気になったところのメモ。
「郊外」のヴァリエーション

    1. 国道16号的」な郊外…ファミレス、大型SC、ロードサイドショップなど
    2. 青葉台−シーサイド的」な郊外…フィクショナルに空間が整備された地域
    3. 「広告郊外」…シミュラークル・シティ

広告都市と広告郊外

ストリート

  • 反マスメディア的(⇔シミュラークルはマスメディア的)。物理的・空間的な囲い込みが無効化せざるをえないような、さまざまな欲望が交差する雑踏。資本やディベロッパーが囲い込みを行うことができない。ex.90年代以降の渋谷

ディズニーランドとジャスコ

  • ディズニーランド…共同幻想に依存した記号的空間
  • ジャスコ共同幻想など必要としない「動物的」空間。巨大なモノと情報のあり方を指す抽象的な概念。ある意味で安全で清潔な世界。「人間工学的に正しい」空間。日本中を侵食し、風景を画一化。(国道16号線的、ファスト風土

開発計画の問題点と街の個性

  • 街の個性の衝突の対象:ポストモダン多様性肯定の論理
    • 「美しい街の−私たち住人」…幻想の美観を追求する住民のエゴ。景観法的な論理、セキュリティの論理。
    • 「ゴチャゴチャした街の−私たち来訪者」…サブカル的ノマドのエゴ。ゴチャゴチャしたあり方を「面白い」と思える感覚は行き場を失いつつある。⇔リアルな街を一種のテーマパークにしてしまえという主張
      1. 世代問題。下北沢も秋葉原も「世代の街」。特定の世代や趣味のインタレストを代表。
      2. 東京のような巨大な都市では、多元主義もありうるのでは。

テーマパーク

  • 下北沢のテーマパーク…幻想の共有、広告都市。街を覆う共同幻想の充実(個性ある街の構築)
  • 人間工学的なテーマパーク…セキュリティとバリアフリーの徹底

その他

  • 都心内郊外…六本木ヒルズジャスコ
  • 「入れ替え可能性」が高い→基本的には郊外化せざるをえないし、地域共同体も「入れ替え可能性」を高める郊外的施設に抗うことはできない。