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開発業者勤務(東京・仙台) → 四国松山へUターン。建築・都市・街・不動産・観光などに関するメモ。

安曇野ちひろ美術館経由長野行き

松本を後にし車を一時間ほど走らせると、安曇野ののどかな田園地帯が目の前に広がってくる。なだらかな曲面の地面の広がり。車にして良かった、と思いながらふらふらと走る。
安曇野ちひろ美術館はそんな開けたところに建っていた。


駐車場の脇に観光バスが数台見られるように、ここには多くの観光客が訪れているようで館内はにぎわっていた。館外でものびやかなランドスケープの中で子どもたちが遊んでいる。小さく抑えられた池の水深も、そうした環境を意図しているようである。
この美術館にはいわさきちひろに限らず、国内外問わず様々な絵本作家・画家の絵本や絵画、立体作品などが展示してある。「スーホの白い馬」なんてとても懐かしい。そういえば絵本は美術史の中でも扱われないけど、そこに目をつけたこの美術館は一見の価値あり。

展示も面白いが、カフェなど展示室以外の場所もとても居心地がいい。子どもは「こどものへや」で遊べたり、大人は横になれたりと、ゆっくりと過ごすことができる。ここで30分くらい寝る。美術館の中でこんなにのんびりと過ごしたのは初めてかもしれない。見渡すと大人も子どももお年よりも楽しそうだ。これはいいぞ。思うに、美術館のゆとりがかえって訪れる人を展示に向かわせている。絵を見るのってけっこうエネルギー使うしなあ。

この美術館についてはまた後でゆっくり考えてみよう。美術館を十分満喫したので、もう思い残すことは無い、と長野へ向かう。1時間ちょっとで長野に着く。

旅館に着き、日の入りまで時間があったので善光寺まで歩く。善光寺から南にずっと参道が延びていて、趣のある建物が並ぶ。


このマンションも一見普通のマンションだが、足元が入母屋の瓦葺の建物になっている。景観に配慮、といったところだろうが違和感を感じながら撮影。後で知ったことだが、これも宮本忠長の設計らしい。

善光寺。現在の本堂は1707年の再建。撞木(しゅもく)造り。なんとなくプロポーションが見たことの無い感じ。

横に回ってみると、なるほど妻側に南北に伸びているのだ。社寺建築には疎いのだが、妻側に長いのはあまり見ないような気がする。その後、長野県信濃美術館・東山魁夷館(設計:谷口吉生)を冷やかし、電車(長野電鉄)が一部地下化していることに驚いたりした後、宿に戻る。