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開発業者勤務(東京・仙台) → 四国松山へUターン。建築・都市・街・不動産・観光などに関するメモ。

城西自動車学校/松村正恒


松山市の中心からほど近くにある自動車教習所、城西自動車学校(じょうせい− 設計:松村正恒、1976年)を見学させていただく。

張り出した庇。先の日産プリンス愛媛販売、神山小学校*1などにみられるように「張り出す」というのは松村さんの建築の一つの特徴といえそう。自動車教習所であるこの建築では、技能教習の各コマが終わると教習車がこの建物に戻ってくる。当日はあいにく雨が降っていたが、大きな庇のおかげで先生も生徒も濡れることがない。

2階南面も梁を張り出し、ガラスが一面全体に入っている。

内部は、テーブルを囲む「溜まり」の空間や、床面を下げ、椅子が並べられた窓際の空間が設けられている。ここでできた仲間と一緒にくつろぐもよし、ひとり窓際で外の車を眺めるもよし。小中学校のような「学校」でもある「自動車教習所」というプログラム特有の人間関係や教習コマの時間の流れを空間に置き換えたような、そうした懐の深いような印象を受けた。
松村正恒といえば日土小学校をはじめ学校建築が有名だが、この教習所も生徒のことを考えたそうした「学校」の延長として捉えていいように思えた。