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開発業者勤務(東京・仙台) → 四国松山へUターン。建築・都市・街・不動産・観光などに関するメモ。

日土小学校と松村正恒

「夏の建築学校in日土」というイベントに参加してきた。日土(ひづち)小学校はDOCOMOMOという、モダニズム建築を保存と記録のための国際組織により選定された建築のひとつ。松村正恒(まつむらまさつね)という建築家が設計した木造の小学校。
この松村正恒という建築家、知らない方が多いのでは。自分にしても松村さんが郷土出身でなければ知らなかったかもしれない。いわゆる建築家っぽくない。蔵田周忠に教えを受け、土浦亀城事務所を経て愛媛県八幡浜(やわたはま)市役所へ入り小学校をはじめ様々な建築を設計した。
松村は1960年の文芸春秋で「建築家ベストテン」に選ばれ、他の9人は前川・丹下・村野・芦原・池辺・谷口(吉郎)・菊竹・白井・吉阪という面々である。何故この中で松村だけが消えていったのか。晩年はアノニマスな建築ばかりをつくっていたようで(本当にフツーの家をつくったり)、何故そのような変化が起こったのか、など興味深い。
日土小学校は松村の設計した小学校で、八幡浜市に数十件設計した建築の中で現存する数少ない建築のひとつ。河川法違反を犯してまで川の上に飛び出させたバルコニー、クラスター型で両面開口の明るく風通しの良い教室、勾配20数度の緩やかな階段など小学生の目線に立った工夫が見られる。
「夏の建築学校」は会場がこの日土小学校で、小学校見学、レクチャーから地域の人々との交流まで盛りだくさんの内容。個人的にはモダニズム建築は「保存」が難しいと思っていて、それは「ぱっと見」の良さが建築を修めるなどしていないと伝わりにくいからだと考えている(「城」や「洋館」のようなわかり易さが無い)。地域住民の方々の理解が必要なのはもちろんのこと。その点を考慮すると建築に携わる人と地域の方との交流というのは(行く前は、なんだかなーとか思っていたけど)有効で必要だと思った。