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開発業者勤務(東京・仙台) → 四国松山へUターン。建築・都市・街・不動産・観光などに関するメモ。

2006-01-01から1年間の記事一覧

五十嵐太郎『美しい都市・醜い都市』ほか

最近の斜め読みの本の斜めメモ。 五十嵐太郎『美しい都市・醜い都市』(中公新書ラクレ) 建築界に議論を呼んだ東京・日本橋の移設に関する話題について書かれた「景観を笑う」をはじめ、各誌で記された著者の都市景観や「美」に関する文章をまとめた本。五…

TOD'S 表参道の「強度」―表層建築と建築家の領域

「表層建築」についてまとめておこう。 '90年代末から流行っている表層建築、その流行は建築家にとっては不運であると捉えたほうがいい、と私は思う。 商業主義という流れの中で、建築家の領域を「建築」ではなく表層のみに限定されたといえるからだ。商業建…

「伊東豊雄 建築|新しいリアル」展

「伊東豊雄 建築|新しいリアル」展に行く(@東京オペラシティ アートギャラリー)。 面白かった。2009年竣工予定の「台中メトロポリタン・オペラハウス」案の紹介(この模型がまたすごい)から始まり、展示室一面をうねうねした白い床で覆い、図面や模型な…

書いとこう

「はてなダイアリーブック欲しい! 」 思いつくままにブログを書いてきたけどいつの間にか3年以上経っていた。どっかでまとめておきたいなあとも思う。

スーパーエッシャー展

スーパーエッシャー展@Bunkamura the Museum に行く。 モーリッツ・コルネリス・エッシャー(1898-1972)の、初期から亡くなるまでの作品が展示されている。エッシャーは「上昇と下降」(→参考)「滝」など60年代に描かれただまし絵が有名だが、初期の風景…

アトリエ・アアルト−外部空間、現象としてのボリューム

アトリエ・アアルト(アルヴァ・アアルト、1954-55,1962-63)。 アアルト邸から歩いて数分くらいのところにある、アトリエ・アアルト。自邸のスタジオが手狭になったために建てられたそうだ。 アアルトのいくつかの建築のプランを眺めているとL字型の平面が…

『現代建築に関する16章:空間、時間、そして世界』五十嵐太郎

『現代建築に関する16章:空間、時間、そして世界』(五十嵐太郎、講談社現代新書、2006)を買ってさらっと読む。 現代建築に関する主要な概念を取り上げ、語りおろし形式で書かれた新書。「形態と機能」から始まる第一章にもしっかりと「原っぱと遊園地」に…

アルヴァ・アアルト自邸

アルヴァ・アアルト邸(1934-36) アアルト邸がとても心地よかった。写真は上から、南面外観、リビング、スタジオ。 およそ70年前の建築。外観はレンガ、木などの素材でパッチワークのよう、というと言いすぎかもしれないけど、細部に凝っている点も含めて…

tone twilight−ヘルシンキ(フィンランド)

ヘルシンキ郊外、ヘルシンキ工科大のあるエスポー(espoo)の朝。友人の住む学生寮のすぐ近くに広がる、湖のような海。太陽の昇る前の澄んだ空気と、心地よい涼しさ。摂氏+4〜6度くらいだろうか。 ヘルシンキには2日しか滞在しなかったけど、やはりという…

タリン(エストニア)

この前の続き。ヴィリニュスからまたもバスに乗って、約9時間でエストニアの首都タリンへ。 ここで大学院の同期、フィンランドに留学中のkgmsd氏(→kgmsd!!!!)と13時に会う約束をしていたので、午前中はユースホステル(Old Town Hostel)で仮眠。予定の時…

客家土楼の思い出話

久々に「建築マップ」に。 →客家土楼 3月に中国−福建省永定県を訪れた際の客家土楼。永定では掲載している「環興楼」にこっそり泊めていただいた。ここは何にもやることが無くゆっくり過ごせて心地よかった。隣の村の土楼を見に行ったりとウロウロ歩き回り…

リトアニア−ヴィリニュス

バルト三国ではリトアニアのヴィリニュスとエストニアのタリンを訪れた。ポーランドのワルシャワから夜行バスに乗って約10時間のところにあるヴィリニュス(Vilnius、リトアニア)は好きな街のひとつになった。 人口は約50万人。落ち着いた街並みの続く旧…

ワルシャワ―ゲットー跡地、レプリカ、スターリン様式―

ワルシャワを起点にしたのには、予算やスケジュールの都合もあるが、戦争で徹底的に破壊された都市のそれからを見たいという、以前からなんとなく抱いていた意思が大きいのだと思う。ワルシャワに住むユダヤ人が閉じ込められ多くの犠牲者を出したワルシャワ…

ポーランド、バルト三国、フィンランド

一週間、ヨーロッパ旅行に行ってきました。ポーランドのワルシャワから、バルト三国(リトアニア、ラトヴィア、エストニア)を抜けてフィンランドのヘルシンキまで駆け抜ける慌しい旅。具体的には、ワルシャワ、ヴィリニュス(リトアニア)、タリン(エスト…

鬼石多目的ホール

軽井沢の帰りに寄ってきた。 鬼石多目的ホール(設計:妹島和世建築設計事務所、2004年) 鬼石町(現・藤岡市)の多目的ホールのコンペが行われたときに学生だった私。コンペの内容が面白くて、結果が気になっていた。そうして採用されたのが、妹島さんの案。…

軽井沢の建築2

ついに吉村順三の「軽井沢の山荘」(1962年)を訪れる。 名作といわれるだけのことはあるなあ、と思った傑作。いろいろと建築を見て周っていると稀に心が洗われるようななんともいえない気持ちになることがあるけど、そんな数少ない建築のひとつになった。 …

軽井沢の建築1 夏の家(ペイネ美術館)

友人と軽井沢を訪れる。 * 軽井沢タリアセンの中にある美術館は、レーモンドの「夏の家」(設計:アントニン・レーモンド、1933年)を移築し美術館として再生したもの。 実現することの無かったコルビュジエの「エラズリス邸」(参考)の「パクリ」とかなん…

インゴ・マウラー展

東京オペラシティのインゴ・マウラー展へ。「光の魔術師」と謳われるデザイナー、インゴ・マウラー。 「ヤ・ヤ・ホ」が良かった。低電圧の電線をめぐらし、その間にハロゲンランプを自由に設置、移動させることができる、という作品。電線がめぐらされている…

都市デザインシステムの話

近況、メモ。 * 目黒通り沿いのCLASKAにて勉強会に参加。都市デザインシステム(UDS)の梶原文生さんの話を聞く。 都市デザインシステムは勉強会の会場であるクラスカを手がけた会社で、1992年に設立。コーポラティブハウスに関する事業を始め、2003年には…

村上隆『芸術起業論』

村上隆『芸術起業論』をさっくりと読む。さっくりと読める/読むような本。以下ところどころ引用。 芸術は社会と接触することで成立します。(p.32)新しいものや新しい概念を作り出すには、お金と時間の元手がすごくかかります。(p.32)知的な「しかけ」や「ゲ…

修善寺、新井旅館

夏。伊豆は修善寺を訪れる。修善寺は源範頼、頼家暗殺の舞台であり、江戸〜明治期からその上に温泉場としての歴史が重ねられている。修善寺の温泉街の中心あたりを歩いていると塔屋が顔を出しているのが見えたので、これはと思い訪れてみると修善寺老舗の旅…

伊藤若冲と光

東京国立博物館を訪れ、プライスコレクション「若冲と江戸絵画」展をみてきた。 人のごった返した展示室の様子を見て、何かブームのウラの大きな力の働きを感じてしまうのは私の病気のようなものだが、伊藤若冲の『鳥獣花木図屏風』は確かに良かった。この大…

東中野 モカ・ハウスとSH-60を訪れる

久々に東中野で降りる。駅前、アトリエ・ワン設計のモカ・ハウスが周りの建物と同調している。 http://www.bow-wow.jp/profile/2000/moca/index2.html 敷地50㎡、建築面積わずか28㎡。隣地との隙間を少し広げ、その空間を階段としてデザインされている。2000…

ZAnPon

ZAnPonの描く絵が良い。たまたま入った代官山uniceでZAnPonのエキシビジョンをみる。一瞬西島大介みたいなポップな絵柄かと思い近づくとファンタジーなディテール。カンディンスキーみたいですね、というのは的をはずしているか。ともあれ、いい感じです。 d…

時をかける少女

近況をつれづれと。 * 『時をかける少女』をみてきた。 原作は筒井康隆さんの小説。大林宣彦監督の映画やテレビなど何度もいろんなところでリメイクされている。 内容は、高校生が「タイムリープ」する能力を身につけてしまい、ちょっと前の過去をやり直し…

写真を本城直季風に加工してみる

6月19日のエントリ(http://d.hatena.ne.jp/ida-10/20060619/p2)の続き。 週末、久々に都庁にのぼって写真を撮ってみた。本城直季風のウソっぽい写真の材料にしようと思ったからだけど、高いところから見る風景というのはそれだけでウソっぽくて、人がゴミの…

餃子と塔の家

外苑前、東孝光の塔の家のちょうど隣にある「福蘭」のギョーザがビールにあってうまかった。揚げ餃子と水餃子の真ん中みたいな感じで、コテコテなのにいくらでもいける。

パレスサイドビル

皇居ということでついでにあげとくと、パレスサイドビル(設計:林昌二/日建設計)はファサードのデザインが凝っていてかっこいい。これは冬の写真*1。 プランもかっこいいなあ。 http://www.mai-b.co.jp/palaceside/information/heritage_01.html 東京建築…

皇居と江戸城

もう一月近く前の話だが、会社対抗の駅伝大会に参加した。コースは皇居の周りをぐるっと一周、桜田門をスタートし、パレスホテル、パレスサイドビル、千鳥ヶ渕の南を通って、最高裁、警視庁を経由するルート。これがちょうど5キロというのは、東京のスケール…

吉村順三の「軽井沢の山荘」とヴェランダコロニアル

前々から考えていることを書いておく。 * 建築学生なら誰もが知っている吉村順三の「軽井沢山荘」を私は訪れたことは無いのだが、今でも、名作だよなあ、などとふと思う。コンクリートや木の素材感や気持ちよさそうな感じとか周辺環境とか、年を経てもなお…