読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

mezzanine

開発業者勤務(東京・仙台) → 四国松山へUターン。建築・都市・街・不動産・観光などに関するメモ。

軽井沢の建築1 夏の家(ペイネ美術館)

友人と軽井沢を訪れる。


軽井沢タリアセンの中にある美術館は、レーモンドの「夏の家」(設計:アントニン・レーモンド、1933年)を移築し美術館として再生したもの。
実現することの無かったコルビュジエの「エラズリス邸」(参考)の「パクリ」とかなんとか。でも石造のエラズリス邸と違い、この「夏の家」が木造であるところなどに相違点が見られる。また、現在は美術館として使われているために閉鎖的にせざるをえない状況であり、美術館として使用される前の状況は分かりにくいのだが、開放的なつくりだったことが容易に想像できる。コルビュジエの案では石造で柱が開口を分断してしまっているが、レーモンドの夏の家は大きく開口がとられている。つまり、コルビュジエ案以上に「自由な立面」を地で行ったといえ、それをスティールではなく木造で翻案しようというのがなかなか面白いと思った。
その開放的な様子は、移築前の昔の写真(参考)を見てみるとよくわかる。
そして、この写真と現在の美術館とを比較すると、移築に際してコンクリートの土台がごっそりなくなってしまったのがわかる。移築前の「夏の家」は水辺の上の小高い敷地に、さらにコンクリートの土台を設けて高くしているが、この土台は、その上に置かれた建築に放たれた開口と1セットで捉えられるべきだろう。土台があってこそ大きな開口が効いてくると思うのである。写真を見ていると土台の上に置かれた「夏の家」の気持ちよさが想像され、それがとても魅力的に思える。

以前、吉村順三の「軽井沢の山荘」のデザインについて、師であるレーモンドのに根拠を持つのではと書いたけど(参照)、この「夏の家」の土台の話もそれと通じるものがあるんじゃないかとやっぱり思う。