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開発業者勤務(東京・仙台) → 四国松山へUターン。建築・都市・街・不動産・観光などに関するメモ。

四年ぶり、新緑の仙台を走る -二度目の仙台国際ハーフマラソン

仙台、二度目の「仙台国際ハーフマラソン」へ。

仙台は前職での転勤に伴って2年間を過ごした土地で、「杜の都」というだけあって木々の緑が印象的な街。2012年に初めてハーフマラソンを走ったのがこの仙台で、定禅寺通りの並木道の下を走るのは実に気持ちよかった……そのことを遠く松山で思い出しては、もう一度走りたいなと思っていたのでした。ということで、4年ぶり、5月8日に二度目のハーフを走ることに。松山からは伊丹空港で飛行機を乗り継いで、大会前日に仙台へ。

 


仙台国際ハーフマラソン(2016)のコース。中央が仙台駅。2012年の時とはコースが若干変更されている。

仙台ハーフは1万人が参加する人気の大会だけど、近年の多くの都市マラソンがそうであるように、都市のマーケティング/ブランディングや観光という観点からも注目に値するように思ってます。仙台の場合はいわゆる観光地を巡るというよりは、街の中心部にある広々とした道路、そこに高く茂る並木の緑――いわば都市インフラそのものの魅力が、走ることで訴えてくるような……そんなコースではないかと。大会も仙台の緑の美しい5月に実施することで、その点がよりいっそう印象づけられます。

 

仙台ハーフマラソンのコース

仙台の街は、仙台駅を中心にざっくりと捉えると、仙台駅の西側がかつての城下町、東側が新たに開けた街という分かりやすい構造。コースの起点は駅の東側にある、楽天Koboスタジアム・陸上競技場前。ここを10:05にスタート。前半10キロは仙台駅西側の街の見どころを駆け抜けます。東北で最も高いビルである仙台トラストシティの横を通過し、駅前に伸びるケヤキ並木の美しい青葉通り、そして広瀬川を渡って……

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この斜面の下が、広瀬川を渡る「大橋」。かつて仙台城と城下町とを繋いでいた。

仙台ハーフマラソン最大の見せ場、ケヤキ並木の美しい定禅寺通りへ。青々と輝く緑、その間からこぼれ落ちる光。通りの真ん中では仙台の「雀踊り」や「盛岡さんさ踊り」がランナーを迎える。これはホントすばらしい体験。

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折り返して定禅寺通りを抜けるとだいたい10キロで、後半の10キロは仙台駅の東側へ。しばらく続く新寺通りには大きな寺院がズラリと並んでいて(これは城下町を築いた際の東の守りでしょう)、またしばらく走ると、卸業者が集積する卸町(おろしまち)へ。卸町は空き倉庫が増えたため新たな街づくりが始まっているところで、こちらも並木道がきれい。

で、卸町で折り返して再び競技場へ戻り、ゴール。

自身のことを記録しておくと、なんとか2時間を切るタイムでフィニッシュ。16キロ辺りからは膝に痛みが生じて一気にペースダウンしたのでした。とにかく、身体を壊しては仕方が無いので気を付けよう……。

 

感想など

都市マラソンの何が楽しいかって、個人的な理由のひとつとしては、一気にその都市を見て回ることができるところにあるかな……と思うわけです。今回も走ってみると、昨年末の地下鉄東西線の開通に伴って、地下鉄駅の周辺の様子が変わったなという印象。新たな地下鉄駅と併せて公的な空間が整備されていたり、高層マンションができていたり。卸町では住宅や商業施設のコンプレックスである「卸町コミュニティプラザ」がオープンしていた(2016年4月にオープンしたばかりらしい)。

それと、マラソン大会とは2000年代以降に出現した、都市の新しいお祭りのようなものだなということをあらためて実感したのでした。1万人レベルで全国各地から人が集まり、さらにその応援やボランティア等でコース沿いに人が集まる。レース前日に国分町(仙台の繁華街)で入ったお店ではランナーを歓迎していたし、マラソン会場にはご当地グルメの屋台も登場する。そういう祝祭的なイベント性があるなあと。コースとその周辺の道路を封鎖するなど、地域住民の方々の協力なしには成立しえないところもお祭りぽいな、などと思うのでした。