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開発業者勤務(東京・仙台) → 四国松山へUターン。建築・都市・街・不動産・観光などに関するメモ。

玉葱の皮

こんなことは初めてなのだが、建築・都市に対する提案(いわゆる普段の授業のことだ)を「公開セミナー」というかたちで一般向けに行った。100人くらい来た。
こういうプレゼンは普段は学校にいるような建築家や都市計画家という我々と共通の言語・認識を持つ人たちに対して行っている。考えなくても当たり前なのは分かるが、一般の方に我々の考えはなかなか理解されず(プレゼンが下手というのもあるけど)ちょっとした衝撃を受けた。私は建築や都市というものを対象としているが、「箱モノなんていらないじゃない?」とおっしゃる方もいて、一般の共通認識というのはそういうものなのだ、と実感することができた。
我々のいるのは特殊な世界なのである。いや、そんなこととっくに分かっていたつもりで、だからこそ私は建築学科という枠組みを少しだけ飛び出したのだが、その認識がやっと身に染みたという気がする。
しかし最近は「それでも生み出すのだ」という思いでいる。ブログという媒体でこういうことを記すのもどうかと思うが、それでも、自分の今の気持ちと決意を記録しておきたいと思った。
槇文彦さんはこう言った。「建築家もまた、玉葱の皮を剥き続けなければならないのだ」